Story
いつものように、仕事から帰ると、部屋の電気が点いていた。
(消し忘れてたっけか)
怪訝に思いながらも、ドアを開ける。
すると、そういえばずっと外にも漏れていた美味しそうなにおいが強くなり
「おかえりなさい」
そうふわんと笑う女が居た。
「……誰?」
「昨日お世話になった猫です」
ちくわの恩を返しにきました、と猫(暫定)は言う。
確かに昨日、アパートの下で野良猫に、ちくわをあげたが、まさかそれか。
「猫も義理人情に篤いんですよぅ」
冷蔵庫の中の食品勝手に拝借しましたすみません、と猫は折りたたみのテーブルに皿を
置く。
メニューは焼き魚である。猫らしく。
「ありがとな、猫」
俺がそう言うと猫は少し驚いた顔をして、疑わないんですねぇ、と言った。
「まぁ、友達にも人外いるしな、別に疑わねぇよ」
それより、と俺は話を変える
「お前の頭を撫でてもいいか?」
「いいですよ?」
即答され、どうぞと差し出された頭を撫でる。
「そういえば昨日は私を撫でませんでしたねぇ」
「俺、力強いからよ、動物触るの怖ぇんだよ」
俺がそういうと猫は納得したような風情でされるがままになっていた。
------------------------------猫又系彼女です。
シズちゃんの部屋への侵入経路は猫のままベランダへ→人間化→お邪魔します。
多分このままなし崩し的に同居する事になりそうです。
不死者もちょっと考えたのですが。
とりあえずデュラの池袋は百鬼夜行程度なら受け入れてくれそうな気がしますなど。