Story
私の父は半人半魔だったし、母は悪魔だった。
「だから私の体とかは、全部悪魔寄りなんですよ」
「だからどうした?」
そう彼は笑って私をそこから連れ出した。
今となっては昔の話だ。
「何を考えていたんですか?」
「フェレス卿」
「任務お疲れ様です☆」
彼は私の上司だ。ついでに私と同じ悪魔。
とは言え彼は上級悪魔だ。無名であった私の母親などとは比べるべくもない。
「ありがとうございます」
「疲れましたか?」
「いえ、」
私はとある人間に拾われた後その人間の友人である彼に預けられた。
そして現在、祓魔師として同類である悪魔を祓う仕事をしている。
「あぁ、そういえば件のサタンの息子なんですがね、彼、祓魔師になるそうです。」
「…………」
「それでですね、祓魔塾に今年から入学なんですけどねぇ☆」
彼の監視役として、あなたも祓魔塾に入っていただけませんか?
「…………奥村雪男君がいるでしょう?」
「彼は血縁ですからねぇ。その点あなたなら大丈夫です。実力的にも、それに外見的にもね」
そう言って彼は笑う。
私の外見年齢はどう見ても年相応には見えない。せいぜい十代後半だろう。
だからフェレス卿は、私にこの仕事をつけた。
それが、十日前の話である。