Story
一口交換。


「……むー……平和島さんものは相談なんですが」


「なんだ?」


ちょっと真剣な顔で鬼那がそう訊いてくるからちょっとこっちも背筋を伸ばす


「平和島さんのそのプリンパフェと私のこのチョコバニラパフェ一口交換してくださいませんか?」




……女ってのはやっぱ甘いものに関しては真剣だよな。


「ん、おいしい。プリンパフェもいいですねー」


「そうか」


にこにこしている鬼那はほほえましい。


「きっと僕たち周りにカップルみたいに見えてますね」


そこでプリンパフェを噴出さなかった俺を誰か褒めて欲しい(もったいない以外の意味で)


「そう……か?」


「あ、平和島さん彼女とかいました?」


それだったら悪い事したなぁとしょんぼりする鬼那に俺はあわてて否定する


「いやいや彼女なんていないから大丈夫だ」


なんならプリンもう一口食うか?とスプーンを差し出す


「いただきます」


ぱく、とスプーンを咥える鬼那。


「ごちそうさまです平和島さん」


「……あー……その、平和島さんっていうのさぁ、どうにも居心地悪いから、静雄でいいぞ」


特にこいつにはガキの頃静雄静雄呼ばれてたからなぁ。やっぱり違和感はぬぐえない。


「じゃあ静雄さんでいきますねー」


「……あぁ」

頑な、だな。


しかし言いたかった事は言ったので、残り少ないプリンパフェに集中する事にした。



同カフェ、角席の女子高生達


「うっそマジであの平和島が彼女……?」


ピロリン


「ちょっ写メとかやばくね?」


「ダラーズダラーズ」


「えー、と『平和島に彼女がいた件ww』写真もやっぱあった方がいいよねぇ」


「うっわマジで書き込んだこいつ」


「いーじゃんいーじゃんどうせ有名人なんだから」



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スルーしたけどこいつら間接キスしてるんだ

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