Story
トムさんが最近いやに生暖かい目で見てくる。
「なんすか?」
「いやぁ、静雄にも春が来そうだなぁと。」
「……?」
最近あった変わった事といやぁ……鬼那か?
「そういえばこの前鬼那ちゃん見たぞ」
「マジすか」
そう思ったら鬼那の話題が出たのと、
トムさんと鬼那が遭遇していたことが意外だという意味での、マジすか。
「なんかケーキすげえ幸せそうに食ってんの」
「……ガキみたいっすね」
「そうか?普通に可愛いと思ったけどなぁ」
そう言って笑うトムさん。
「可愛い?」
「可愛いだろあの子」
まぁ確かに成長してそのなんかあれだ…………認めよう、可愛かった。
「まぁ静雄は年上好きだべなー」
「トムさん!」
冗談冗談と笑うトムさん。
「まぁとりゃしねぇからよー」
「トムさん!?」
今度は冗談と言わずただにやにや笑っていた。やめてください。
「まぁ、がんばれ。」
「何をっすか……?」
「結婚式には呼べよー。仲人とかしてやっから」
「…………」
本当に、快く引き受けてくれそうな気がする。