窮屈
「フェレス卿はなんでこっちにいるんですか?」
こっちとはもちろん物質界の事で
「虚無界よりずっと面白いですし」
あなたもそうでしょう?と笑うメフィスト
「私はそこまであっちにはいませんでしたし」
「そうでしたね」
「……フェレス卿、私はどこにいても、特にこっちは窮屈です」
「何故?」
「悪魔とか人間だとか、私はどっちでも無いのに私じゃない人達がうだうだ煩いからですよ。別に私は人間でも悪魔でもない自分でいいんです。とやかく言われる筋合いはないんです。」
「なるほど☆」
うんうんと頷くメフィスト。
「まぁあなたはあなたですしねぇ、その変な方向に頑なな性格は数十年前から変わってませんねぇ」
「変な方向……」
複雑だという顔をする半人半魔の少女にメフィストは微笑んで、
「まぁべつにあなたの理解者は私一人でいいんですけどね」
「……フェレス卿、もう一つ窮屈な物ありました」
「おやなんですか?」
「あなたの愛です」
「それは本望」
窮屈窮屈
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メフィスト連載習作として。
多分こんな感じになるはずです
[目次]