手を出すな

「なんであんなおっさん好きになっちゃったんだろうなぁ……」

他に誰もいない事を見計らって呟く。

「僕もそう思ってました」

「どこから湧いてきたのよ!」

「失敬な」

こいつは最近性格が丸くなりすぎた恋敵。顔だけはいい。顔だけは。いわゆるイケメンの部類。

……いや別に私はおかしくないわよ。同姓が好きとかじゃないわよ。それは向こうの方だから!

「イケメンを好きになる事はあってもライバルになるとは思ってなかったわよ……」

「虎徹さんが魅力的すぎるのがいけないんですね」

「というかあんたほんとにバーナビーなの新人だった頃のあなたと分裂したんじゃないの」
「残念ながら僕は自分と同じ顔にはまだ出会ってないんですよ」

というか僕があなたに言いたいのはそんな事じゃなくてですね、と眼鏡をくいっとあげるバーナビー。

「僕の虎徹さんに手を出さないでください」

「……別にあんたのじゃないじゃない」

「いえ、あの人は僕のものですよ。だからもう一回言っておきましょう。手を出すな、と。」

そう言ってにっこり笑ったバーナビーに少し薄ら寒いものを感じた。


手を出すな


手を出すな
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ヤンバニ→鈍感大人虎←常識人薔薇がじゃすてぃす。



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