おそろいの瘡蓋

「君たち、喧嘩両成敗という言葉は知ってるかい?」

新羅が爽やかな笑みを浮かべてそんな言葉を言う。手には脱脂綿を摘んだピンセット。

「もちろん俺は知ってるよ?シズちゃんみたいな単細胞と違ってね」

「てめぇ臨也ぁ!」

「治療中くらいおとなしくしとけお前ら」

後ろに控えていた門田が立ち上がりそうになった静雄を抑える。

「……というか別に俺は悪くねぇだろ」

ふくれてそう言う静雄に新羅は軽く頭を振って言う。

「あのねぇ静雄、小学生に説教をする理論でいくとね、さきに喧嘩をふっかけてきた方も悪いけど、それに乗って手を出した方も悪いんだよ?」

それに同調する臨也。

「そうだよシズちゃん」

「お前はその喧嘩ふっかけた方だろうが」

門田の拳骨が臨也に落ちる。

「何すんのさドタチンー」

「教育的指導だ」

「じゃあシズちゃんにもやってよ平等に。あ、でもシズちゃんはほら、物理攻撃が利かないから精神的に攻めるべきかな?」

「例えば?」

新羅が面白そうに訊く。

「子猫に嫌われて引っ掻かれる」

「やめろ馬鹿!静雄が落ち込んだ!」

「ドタチン頭すぱぁんしないでよ」

「ほらほら臨也治療するよ」

脱脂綿を臨也の頬に持っていく新羅。

「新羅痛い痛い痛い!消毒液痛い!」

「まぁでも擦過傷だからすぐかさぶたになるよ」

「というか静雄の心の傷の方が……」

「あぁ、実際可愛い子猫見せて引っかかれなかったらそっちもすぐかさぶたになるよ」

「投げやりだな……」

「そんな呆れた顔しないでよ。だって実際そうなんだから。おそろいのかさぶたと言ったところかな。」

おそろいのかさぶた


おそろいの瘡蓋
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そして自分のタグミスがひどい。



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