お洋服
「可愛いお洋服」なんてものが嫌いだった。
子供の頃は男子にまじって走り回っていたし、大人になったらなったで仕事が忙しくてそんな服を着ている暇はなかった。
それにいわゆるきりっとした、だとか凛とした、だとかの印象を抱かれる事が多すぎて自分がそういう可愛い洋服を身につける事自体に抵抗を覚えるようにもなった。
だがあいつは、
「えー似合うと思うんだけどなぁ、そういう女の子らしい格好も。」
「…………そうか?本当にそうか?」
多分私が笑い飛ばすと思っていた彼はちょっと驚いた顔をして、それから少し笑って言った。
「絶対似合うよ、少なくとも俺は見てみたいなぁ」
「……こんど買ってくる」
「マジで?俺も一緒に言っていい?」
「黙れ折原。調子に乗るな」
「えー」
さっきあいつが肯定した事が嬉しかったなんて死んでも言わないだろう。
お洋服お洋服
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心もち臨也連載の夢主なんですがこんなデレはない
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