チョコレート
彼の任務が終了したとの報告が入った。きっともうそろそろ来るはずだ。
「おいこらメフィスト」
お疲れ様です獅郎。あなたがいなくて私はどれだけ寂しい思いをしたか!
私がそう言うと、彼は
「白々しい」
と切って捨てた。
やっぱりそうですか。
「というかお前いい加減軽装詐欺やめろ!」
毎回ひっかかるあなたもあなたですけどね。
毎回軽装詐欺をする私も私ですけどね。
「…………」
疲れていますか?
「誰のせいだと思ってるんだよ」
誰のせいでしょう。でも、疲れているのはいただけませんね。
机の上にあるチョコを一つつまんで彼の鼻先に持っていく。
どうぞ。
「ありがとよ」
すぐ飲み込む彼。
もっと味わって食べなさい。それ普通に高級チョコですからね。
「味わった味わった。チョコだった。」
ありがたみの欠片もないでしょう。
「いや、うまかったって。ありがとな。これちょっともらえねぇ?」
なぜ?
「いやほら、燐と雪男にな。」
あぁなるほど。子供は甘いものが好きですからね
「そういうこった」
ちゃんと与えた後は歯磨かせてくださいね。
「わーってるよ!お前はお母さんか!」
だってあなたがお父さんでしょう?
そう言って私が笑うと彼は確かにそうだと納得した顔になった。
チョコレートチョコレート
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ばかっぷる。
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