どうしてだっけ
そういえば、なんでやったけ
「俺が坊を好きになったの」
いや別に声に出したからといって答えが出るわけなく。
成就したのは、忘れるわけもない、俺と坊が髪を染めたころ。
この思いに気が付いたのは、坊に、一緒に祓魔師になってくれと頼まれたあの日。
……まぁ頼まれなくても着いてくつもりやったけど。
この思いが芽生えたのは、
俺らが小さいころ、坊が一回ふらりと姿を消したことがあった。
そりゃぁもうあの時は必死に探した。
そして見つけた坊は、一人で泣いていた。あの時の坊の悔し涙。
俺はもう坊にあんな顔させとうないんや。
「…………はずかしっ!」
「何が恥ずかしいや」
「坊いたんですか」
「さっきからいたわ阿呆」
デコピンを食らった。
「痛いですよ坊」
「痛いのはお前じゃ」
……あのちょこちょこ漏れた独り言も聞かれたんかなぁ。
うわ、はずかしっ!はずかしっ!
「…………どうしてお前はそんなに俺が好きなんや」
坊が赤くなってそう訊くもんだから、俺はにっこり笑って答えた。
「さぁ、なんででしたっけ」
なんでだっけなんでだっけ
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しますぐしま!
[目次]