宝箱

兄さんは気に入ったものを溜め込む癖がある。

それらは兄さんの机の中にさながら宝箱の中の宝物ようにあって。

例えば僕のメガネのスペックの内の一つ。

いつの間にか無くなっていたから探したら兄さんの引き出しの中にあった。

他にもキレイな石ころ。たしか小さいころに一緒に拾ったやつだ。

あと、最近追加されたのは、勝呂君からもらったヘアピン。

気に入っているんだろう。よくそこからとりだして使っている。

兄さんは、勝呂君達といると本当に楽しそうだ。

兄さんにやっと仲良くできる同年代の他人ができたのだ。世間ではそれを友達という。

それはきっといいことなのだろう。

「そんなわけあるか」

ああそうだこれは嫉妬だ認めよう。僕は彼が、勝呂君がはっきり言ってねたましい。

今までずっと自分だけのものだった兄さんがとられたから、多分それだけ。

でも兄弟愛なんて爽やかなものじゃなくて、これはもっとどろどろした感情だ

ねぇ兄さん、僕の宝箱には最初から兄さんしかいないんだよ

ねぇ、僕は今すぐ宝箱の蓋を閉じてしまってもいいんだからね

宝箱

宝箱
----------------------------------
雪男が嫉妬でヤンデレ化して悪魔落ちすればいいんじゃないかな



[目次]



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -