大丈夫

「大丈夫だ」

そう彼はよく私に言った

何を言っても不安がってもいつか離れ離れになるということも。

私が何千文字もの憂鬱を吐き出すたびに彼はその憂鬱を能天気で無責任なその四文字で払拭した。

本人には絶対に言わなかったが彼のその言葉に随分救われたのも事実だ。

悪魔が救いを求めるなんてそんな事を望むなんて、

私も人間くさくなったものだと自嘲した。

なぁ獅郎お前がこれを聞いたら相変わらず能天気に笑って大丈夫だと言うんだろう

「…………ふははっ」

何が大丈夫だ。結局何も大丈夫なんかじゃなかったじゃないか。

お前はもう死んでしまったし私はお前のせいでこんなに人間くさくなった。

どう責任をとってくれる

あぁ、だがしかし、奥村燐のあの能天気なポジティブ思考を見ているとお前の言葉と笑顔を思い出す。

彼の笑顔は確かにお前と同じ種類の、ある種の無責任な安心感がある。

そういえば、お前が一言私に吐いた弱音があるな。

「俺はちゃんと、あいつを父親として育ててやれたのか」

反抗期ですよとそのときは笑い飛ばしたが、今ならちゃんと答えよう。

大丈夫だ獅郎、彼は確かにお前の子だ


大丈夫


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救われる一言があってもいいと思うんです。
メフィストフェレスの元ネタを青エクのメフィストとして解釈した結果。
雑記に呟いておくかもです



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