血潮

夜風が無駄に爽やかな日だった。むしろ不愉快なくらいに。

「あ、あぁ、あぁぁあ……」

彼女はそんな日に死んだ。腹を深く抉られて。

そして俺の手は真っ赤に染まっていて。

そうだ俺は吸血鬼で彼女は人間で結局二人は違う種族だというだけで。

「ははは……」

まったく、俺の本能は結局彼女を食料としか見ていなかったというだけで。

なんという傑作だ。

彼女の血はまだ固まってなくて液体のままだった。

なんておいしそうなんだろう

無意識に彼女の傷口に口をつけ一滴残らず血をすすり込む。

彼女の血はまだあたたかくてあまくてとてもおいしかった。

夜風が無駄に爽やかな日だった。

血潮


血潮
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血潮じゃなくてただの血。
傷物語読み直したからこうなったんだと思います



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