ほらもう朝になっちゃったよ

「だからな、別にあれは浮気じゃなくてな。」

「ほう、私しか乗せないと言ったバイクの後ろに他の女の人(美人)を乗せた事についての釈明がそれかわかった歯ぁ食いしばれ。」

なんで俺は彼女とこんな話をしているのだろうか。

「さすがに夜道に蒼樹嬢一人で放置するわけにはいかねぇだろ。」

「私ならともかくとして?」

そんなわけねぇだろ一体何が気にくわねぇんだこいつは。

「仮にお前だったら首根っこ掴んで乗っけてそのままホテル行くわ」

「へーぇ」

にやぁと笑う。本当何なんだ。

「まぁつまり俺が言いたいのは、蒼樹嬢にはなんの感情もねぇ。お前は俺の彼女だということだ。」

「あぁそうかそうか。私が言いたいのはだな、仮にも彼女だけの特権だと宣言しておいて他の女にその特権を侵させた事の罪は重いということだ」

「やきもちかよ」

「あぁそうだ彼女が嫉妬して何が悪い。」

なぜやきもちから嫉妬に言い直す。わざわざ悪い方に言い直す意味が俺にはわからん。

「とりあえず、お前は私に謝罪しろ」

やっと収束か。

「……ごめんなさい」

「誠意を見せろ」

面倒くさい

「駅前にできたカフェあるだろ。あそこのパフェ美味いらしいぜ」

「私は胃が小さい甘党なんだ」

「半分食えばいいんだろ?」

「そしてお前が全額払う」

「わかったわかった」

「じゃあ私は寝る」

「おいこら待て」

言われっぱなしは気にくわねぇんだよ。

奥にひっこもうと向きを変えたそいつに手を伸ばした。

だけどもう朝6時じゃねぇか。


ほらもう朝になっちゃったよ


ほらもう朝になっちゃったよ
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福田さんとめんどい彼女



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