我慢
「……あと一本だけ」
「だめだ」
「なんでだよしゅうへぇー」
「編集室のみならず九番隊隊舎は全面禁煙だ!あと今は俺お前の上司だからな」
「タバコないと死ぬ」
俺の彼女が九番隊に異動してきた。
当初は単純に二人で喜んだものの、こいつは現世でいう「へびーすもーかー」だから、
最近前面禁煙になった九番隊はきついらしい。
そりゃ前の配属の京楽隊長はそんくらいなら好き勝手させてくれるだろうしなぁ……
そんな事を思ってると、こいつはなんか袂から取り出して、って
「だから吸うな!」
つい頭を書類で叩く。
「たえられない!」
だからとはいえそこで、上目遣いで「一本だけ、お願いだから(はーとまーく)」みたいなことをするな。
可愛さを無駄遣いするな。いや減るもんじゃないけど。うっかり許可出しそうになるから。
「……じゃあ、外で吸ってくればいいだろ」
「それだと、せっかく九番隊に移ってきた意味ない」
「は?」
「別に、仕事中にいちゃいちゃしたいとは思わないけど、せっかくずっと一緒にいれるんだから、外なんか出るのは勿体ない」
…………ばーか
「なら我慢しろ。とりあえずちょっとずつ禁煙しようぜ。飴とかあれば口さびしくねぇだろ」
「ハッカ味がいい」
「ん」
我慢我慢
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檜佐木の理性は紙のもろさ。
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