なんどでも

人間は学習する生き物だというけれどそれに乗っ取るならば私は人間じゃないのかもしれない。

何回目だ。こういうのは。

腫れた右頬をさする。

タチの悪い男に引っかからないでと友人から懇願されたっけか。

タチの悪い男はぱっと見でそれが分からないからタチが悪いのだ。友人はそれを知らない。

「ほんっと、お前馬鹿だよなぁ」

うるさいだまれ

「んだよひでぇなぁ。せっかくオトモダチとして毎回忠告してやってんのに」

ポストに頭突っ込んで死ね

「言っとくけどお前のその毒舌について行けるの俺くらいだからな。感謝しろよ」

腹上死しろ

「それむしろ本望じゃね?」

刺されろ

「話逸れてんぞー。だからつまりな、俺が言いたいのはだな、
お前が心配なんだよ普通に。だからお願いだから女殴るようなカスとは付き合わないでくれ。分かるまで何度でも言うからな学習しろよ」

私の勝手だ。もう今後その話は聞きたくない

そういうと友人は焦れたような表情をして近づいてきた。やめてほしい。

「いっそ俺と付き合えばこの話もする必要なくなるぜ?」

そう言って私が抵抗しないのを見ると口づけてきた

今気が付いた。今まで見たどの男よりもこの十年来の多分元が付くことになる友人の方が、よっぽどタチが悪い


なんどでも

なんどでも
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このろくでもない人たち。
あとこれ男バージョン考えるとかなり不憫。男不憫



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