朝焼けを殺しておやすみなさい
朝早すぎる時間に起きてしまうとなんとはなしに損した気分になる
時計を見て、窓の外を見るとちょうどまぶしいくらいの朝焼けである。今日は休日だ。
もうすぐ彼は帰ってくるだろうか。私は遅番が好きではない。彼と生活がすれ違うなんておぞましいじゃないか。
電気をつけずにカーテンも開けずに私は食卓にべったりと伏せる。
近づいてきた硬質で規則正しい足音に顔を上げるとがちゃりと玄関を開ける音がした。
「おかえりなさい」
「起きていたのですか」
少しだけ驚いたように彼は言う。
「うん」
彼がコートを脱いで、着替えたら、一緒にベッドに行って、二人で好きなだけ眠りたいのだ。
それは以下にも素敵なアイデアに思えた。
朝焼けを殺しておやすみなさい
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