散弾銃
散々撃ちつくした車内であるが特製の為傷一つついていない。
周りには多種多様な武器と、老若男女様々な背格好をした人間が転がっていた。
それを乗り越えて、ノボリは煙草に火をつけた。列車内禁煙だがこんなときくらい吸わねばやっていられない。
「クダリのほうはどうなりましたかね」
やられていることはないだろうが。空薬莢をざりざりと踏みながら彼は隣の車両(こちらもさっきから沈黙していた)に足を踏み入れた。
「遅かったね、ノボリ」
振り向いたクダリが笑う。その頬には返り血が付いている。
「一服していたもので」
「そ、」
大して興味もなさそうにクダリは持っていたハンマーをほうり投げた。
散弾銃
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