金網

がしゃん、とフェンスに背を預け、さっき買ってきたパック飲料を開ける。

「お前本当に甘党だな」

「うっせ」

最近ずっと飲んでいる、バナナ牛乳をずず、とすする。

「そんなん飲んでも背は伸びないぜ知ってた?なぜなら俺が牛乳嫌いだから!」

もう黙れ、そういった意味を込めてじろりと見上げてやる。

奴は我関せずといったようにフェンス越しに奴の自宅の方向を見つめている。

「もう帰りたいわぁ」

「土にか」

「還らねえよ」

そんな阿呆な会話をしていると昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。

「次なんだっけ」

「数学」

「宿題見せてくんね?」

「嫌だ」

ちぇ、と奴は舌打ちをして金網をがしゃがしゃと鳴らした。

金網



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