ライオン

あぁ、そうか。私は急に理解した。

彼は、金色の鬣をなびかせた、獅子なのだ。

圧倒的な力で不良共をなぎ倒していく彼はあぁなんて、魅力的なんだろう!

「……何見てんだよ」

半分照れたような、決まり悪そうな口調で彼はこちらにむかってそう言った。

「お疲れ様」

私は、かける言葉を見つけられず、結局その言葉しかかけられなかった。

(かっこいい、だなんて)

あんな状態の彼に向かって、言う言葉じゃあないのだ。

だって彼はそう言われたって不本意だろうし。

「帰り、プリン買って食べよう」

そう言うと彼はぱぁっと明るい顔になり(わかりやすい)、さっきの覇気はどこへやらまるで猫のようにさりげなく距離を詰めて私の手をそっととった。



ライオン




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