他人と肌を触れ合わせるのは何であれ好ましくない。もっと言えば苦手、なのだ。嫌悪感すら抱く。

いっそずっと、手袋でもしてすごそうか、とさえ思う。

それだのに、

「やぁ、ユーリさん!!」

奴は私の手をいつもぎゅうと握る。どこかへ行かせまいとするかのように。

「……貴方の手はいつも暖かいですね」

私がそう言ってやると彼は、照れたようににへらと笑った。

別にほめてはいないというのに。

「ユーリさんの手は、いつもひんやりしていて気持ちいいですね」

嫌味か気持ち悪い。

奴の手を力いっぱい握り締めてやった。






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テーマ「人外ファンタジー」
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