夢を見る前に誓って欲しいの

さぁさぁと日が降り注いでいるヤグルマの森の中にいつもどおり彼はいた。

健やかな寝息をたてている彼は年齢以上に幼くみえる。もともと彼はやけに少年じみているのだ。

なんの夢見てるんだろう。口の端に笑顔が浮かんでいる。

いい夢を見ていたら申し訳ないのだが、挑戦者が来たのでアーティさんを起こして連れて行くのが今の私のミッションである。

「おきてください」

軽くゆすっただけでは彼は起きない。寝つきがいいのだ。

むしろうへ、と笑いをもらしている。本当に何の夢をこの人は見ているんだろう。

「その幸せな夢の中の登場人物に、私はいるんですか」

彼はその声でぱちりと目を覚ました。それでも何を言っていたのかは聞こえていなかったようである。

おはよう、と笑って私の髪をくしゃくしゃ撫でた彼は今しがた見た夢の内容など忘れたようだった。

夢をみる前に誓って欲しいの



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