吐血

知っていたのだ。わたしは。とっくのとうにわかっていたのだ(あのときよりもっと前から)

だってあんなおぞましくもうつくしいものにリスクがないなんてそんな夢のような話あるわけないじゃない。それでも私は彼を止められなかったのだ(だってそんなことできるわけがないじゃないか)

今でも彼がはいた鮮やかな赤が焼きついて離れない。

吐血



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テーマ「人外ファンタジー」
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