シンメトリー
「あれ、どうしたんです」
つい近くにいたクラウドさんにひそひそと話しかけてしまう。この場合別にクラウドさんじゃなくてもシンゲンさんでもジャッキー君でもキャメロンさんでもいいのだが。
「なんであの人たち今日真っ白なんですか」
「いやなんでもクダリさんの発案でな?」
私があの二人を見分けられるかどうか試したいだなんていかにも彼らしいけれどそれに乗ってしまうなんてノボリさんらしくないような
「まぁあの人ブラコンやからな……」
そうでした。
「さぁ、どっちでしょう?」
ステレオでそう言われなくても。それにしても本当に遠目から見るとシンメトリーだなこの人たちは。
「……クダリさんわたしスーパーシングル挑戦したいんですけど」
そう言ってクダリさんの頬をぐい、とひっぱった。
「いひゃいいひゃいいひゃい」
「ちゃんと待っててくださいよ。サブウェイマスターがわざわざ挑戦者のところまで出向かないでください」
ぱちぱちとなぜかクラウドさんに拍手をされた。
シンメトリー
[目次]