齧りたい

たばこ、棒つきキャンディ、エトセトラ

エメットさんはいつも何かをくわえている。

口寂しいのですかと聞いたらまぁそうダネと返ってきた。

それにしたってたばこはやめてくださいよ、と言ったらヤダよと返ってきた。

「そもそもインゴだって吸ってるジャナイ」

「あの人はちゃんと密室で吸ってないからいいです」

「…………じゃア君がチュッパチャプス奢ってくれるナラ」

毎日、と付け足されついうげぇと漏らしてしまう。

「じゃあ駄目ダネ」

けたけたと愉快そうに笑われた。

「だって煙いんですもんー……それにここで一番エメットさんと一緒にいるの私でしょうし(エメットさんの書類の取立てにいつもインゴさんが私をよこすから)」

そう言うとエメットさんはなぜか少し考えた後、

「ボク何か噛んでたいんだよネ」

「は」

がぶ、と首筋に口を近付けられたと思えば、噛まれた。

「なななななにをするんですか!」

「言ったジャナイ口寂しいッテ」

彼はぺろりと舌なめずりをして笑った。


齧りたい



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