閨
ごろごろと転がるにはダブルベッドは手ごろであるのだけれど、
やはり一人で先に寝るにはもてあますので、
「エメットさん早く帰ってこい」
どうせ彼のことだからサボりにサボってたまった仕事を片付けるまで彼の兄に監禁されているのだろう(この愚弟が!という声が聞こえてきそうだ。まったくかのノボリ氏クダリ氏とは大違いである)
ごろごろと転がっているうちにシーツはすっかりしわくちゃである。でもどうせあの人は気にしないので問題はない。
暇をもてあましすぎると、どんどんくだらないことを考えてしまう
「…………あいつどっかで浮気でもしてるんじゃないよね」
「すぐ目を離すと失礼なことを言うネ君ハ」
「おかえり」
タダイマ、と彼は言ってごろりとベッドに寝転んだ。
「目を離さなくても失礼なことは言うけどね」
「知ってル」
「それよりコート脱いでネクタイはずして」
「え、ちょっと今からボクにナニするノ」
「皺になるでしょ」
「……ハーイ」
閨
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