迷子

彼との馴れ初めを訊かれたならば、まぁ面白みも何もあったものではないのだけれど、
とりあえず私が迷子になったからだと答えることにしている。

……ほら面白みも何もない。

シュテルンビルトに来たばかりで、見事に迷っていた私の前に颯爽と現れた彼が、私を目的地まで案内してくれたのだ。

その後私が彼へのお礼に、半ば強引に食事に誘って、それで、彼のことを好きになって、
…………彼にそのことをわかってもらえるまでに相当の紆余曲折があった。

(しかし彼が本当にスカイハイだったとは!)

小さな液晶の中で人々の歓声を浴びている彼が私の恋人なのだ。

全く人生はわからないものである。

迷子



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