目の前を優雅に横切ったのは、いわゆる念魚、というらしい。

その念魚が好き勝手に泳いで奴らを食い散らかしていくのを、私はクロロ(なにやらいつもと違ってなにやら奇抜な格好をしている)の隣で見ていた。

窓の外には夜景がきらきらと輝いている。

「ねぇクロロ」

「何?」

「クロロってあの魚に名前つけてる?」

彼は困ったように頬をぽりぽり掻いてつけいてないなと答えた。

「あたしがつけてあげようか」

彼は笑って、じゃあよろしく頼むよと答えた。





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テーマ「人外ファンタジー」
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