それじゃあ僕と生きるってのはどうだい?
屋上に立って池袋の夜景をぼんやり眺めていたら、かつんかつん、と屋上への階段を誰かが上がってきた。
「やぁ」
「……なによ」
私がじろりと奴を睨むと、奴はやれやれと首を振った。
「冷たいなぁ、君がそこから飛び降りないように見張りにきたのに」
「そんなことするわけないじゃない」
「どうだか」
一ヶ月前にここから飛び降りようとした君にそんな事言われても説得力がないよ?と奴は言う。
「この世界は面白いよ、少なくとも俺にとっては」
そう奴は私の手をとった。
あの時に血迷わなければ私は、死んでいたのだろうか
「それじゃあ俺と生きてみるってのはどうだい?」
そう奴は私に向かって笑った。
それじゃあ僕と生きるってのはどうだい?
[目次]