火葬

煙が細くたなびいていた。あのこがどんどん燃えて天に召し上げられていくのを、俺は黙って見ていた。

「これで何回目やろか」

あいしたかれらの葬式に花を添えるのは。

それでも今日はその中でもまれに見る晴天だった。

晴れが好きだったあいつにとっては、ぴったりやな、と一人ごちて、煙が消えるのを見定めて俺は、踵を返した。


「トマトの面倒見んとな!!」

うぅんと大きく伸びをして、気に入りの麦藁帽子をかぶって、あぁそうだ愛しい子分たちも呼んで、にぎやかな日にしよう。

火葬



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