火葬
煙が細くたなびいていた。あのこがどんどん燃えて天に召し上げられていくのを、俺は黙って見ていた。
「これで何回目やろか」
あいしたかれらの葬式に花を添えるのは。
それでも今日はその中でもまれに見る晴天だった。
晴れが好きだったあいつにとっては、ぴったりやな、と一人ごちて、煙が消えるのを見定めて俺は、踵を返した。
「トマトの面倒見んとな!!」
うぅんと大きく伸びをして、気に入りの麦藁帽子をかぶって、あぁそうだ愛しい子分たちも呼んで、にぎやかな日にしよう。
火葬
[
目次
]
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -