さめざめと体温が引いて、冷たくなっていく彼女を見てあぁなんてことだろう僕は、欲情してしまったのだ。

一国の王子がまさかそんな性癖をもっているなんて誰が予想できるのだろうか。

僕だって信じがたい。それでも僕のこのひそやかな予感は、確かに恋のそれなのだ。

しかしながら彼女の骸は、血が通って活動していた頃よりとても魅力的に見える、という、それはまぎれもない事実なのだ少なくとも僕の中では。

それでも、嗚呼!嘆かわしいことに彼女は僕の捜し求めている理想の女性ではないのだ。残念ながら。

僕は彼女だったそれに優しく口付けると、そっとそれを寝台に横たえて、踵を返した。





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