のみほして

しゅわしゅわと音をたてているその飲み物を僕は飲んだことがなかった。

もちろん知識として、この飲み物の名称がソーダ、という事は知っている。

けれど、現物を見たのはちょっと前に、トウコとここの遊園地に来たときがはじめてだけれど。

そして、初めて飲むのは、彼女と一緒がいいと思ったのだ。

僕が彼女に蓋を開けたソーダの壜を渡すと、彼女は僕にお礼を言って、美味しそうに一口飲んだ。

「Nさんもどうぞ」

彼女がそう言って僕に返したその壜に、僕は口をつけた。

痛いような甘いような痛みに、僕は驚いた顔をしていたらしい。彼女は僕を見てくつくつと笑った

結局残りは彼女と半分に分けて飲み干した。

しゅわしゅわと音をたてるその飲み物を、僕はすっかり気に入った用だった。

のみほして



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