影踏み
かつんかつん、と彼らの靴音がしました。
夜だけれど真昼のように明るいホームには影が色濃く落ちます。
白と黒の彼らは白熱灯の下だとまるで作り物のようです。
「お客様、今しがたお客様が下車なされたのが終電です。」
ノボリさんがそう私に告げました。
現在位置、スーパーシングルトレインの中間ホーム。
「わかってます。」
彼らが近づいてきて、私の影を踏みました。
「それでは、ギアステーションまでお送りいたします」
そうノボリさんは私に手を差し伸べました
「ありがとうございます」
私はその手をとって、彼らと共にギアステーションへ向かう職員用の列車へと乗り込みました。
影踏み
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