重力
「うやぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!?」
空から女の子がゆっくりと降ってくるなんてのは日本男子共通のロマンなのではないかと私は勝手に錯覚しているのだが空から男の子が急降下☆とか危ない事この上ない私下手したら死ぬぞうまく受け止める自信なんかない私の運動音痴なめないでくださいあぁでもそもそもあんな風に落下してくるなんて飛行石でもないと無理じゃね重力的に。
そこまでを一瞬で思考した。なるほどこれが噂に聞く走馬灯というやつか。
いやでもまぁ人生想起してないからあれか走馬灯ではないか
「うぉあ」
男の子はずべしゃと音を立てて私の五十センチ前に落下した。
「…………大丈夫ですか?」
「大丈夫、です」
むくりと起き上がった彼は顔面に大胆に擦り傷を作っていたが中々に好青年である。
「絆創膏いります?」
「いります」
だがしかし考えてみたら相当高いところから落ちている(推定)な訳であってそれで擦過傷だけとはどういうことなのだろう。
絆創膏を受け取った落下系男子はありがとう!と私に笑顔を振りまいてから絆創膏を顔中にぺたぺたと貼っていく。
彼が髪をかきあげ額に絆創膏を張ろうとしたときにちらりと何かが見えた
(角?)
重力
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