flightless bird
うちのボカロは歌が歌えない。その事が分かったとき奴はぼろ泣きした。
「ます、たぁ、なんでも、なんでもします、だから、返品しないでください、ますたぁぁ、」
「返品なんてする訳ないじゃんとりあえず泣きやめ。何事かと思われるから。」
女性一人暮らしの家から成人男性の泣き声とか怖すぎる。社会的地位が。
「ますたぁぁぁ!!」
飛びつかれたものだから仲良く椅子から転げ落ちる羽目になった。
「いった!」
「あっすみませんマスター記憶飛んでませんか」
「さすがにそこまでのダメージは無かった」
「あっでもこぶになってますねほんとすみませんこんな不良品野郎が」
「ねぇKAITOって皆こんなに卑屈なの」
「いや他の連中はもっと爽やかだと思いますが何分歌えないボカロなんて飛べない鳥と同じですよ何の価値もないんですよ」
「オイにわとりなめんな美味しいだろうがペンギン可愛いだろうが」
「そういう話はしてません」
「つまりあれだよ、飛べなくても歌えなくても別にいいじゃん」
「マスター……ごまかされませんよ」
「あんた意外と我強いよね」
flightless bird
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