天秤にかけてみる
「君はもし、俺と子猫が崖から落ちそうになってたらどっちを助ける?」
「子猫。」
「ですよねー」
さしてがっかりした風もなくそう答える臨也。
「じゃあ最初から訊かなきゃいいじゃん」
「いや、十万分の一にかけてみた」
「その十万分の一って?」
「俺も猫も助ける」
どうせ君の中には猫見捨てるって選択肢ないでしょと笑う臨也
そうだね。わかってるじゃないか。
「君の天秤にいる俺は、どうやっても一番重くはないんでしょ?」
「それは臨也も一緒でしょ」
一瞬驚いた顔をした後、そうだね、わかってるじゃないかと彼は笑った。
天秤にかけてみる天秤にかけてみる
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私は臨也をなんだと思っている。
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