waltz

「……私踊れませんけど」

「僕も踊れませんから問題ありません」

そうは言っても華麗なステップでバーナビーは私をエスコートしていく。

「それにほらワイルドタイガーが踊れると思いますか?」

「……そもそも相手がいるとは思えません」

「同感です。」

「ていうか何故あなたはこんなしがない記者と踊っているんですか」

「前言ったじゃないですか。僕はあなたが好きですと」

「記憶にございません」

「……あなた酔ってましたしね」

はぁやれやれといった表情のバーナビー。

「じゃあ改めていいますよ。僕は貴女が好きです。お付き合いしていただけますか」

「まずはオトモダチからという事で」

「酔って無くても答えは変わらないじゃあないですか」

「あぁやっぱり断ったんですね」

「やっぱりってなんですか」

「そもそもですねバーナビーさん今恋人作ったらスキャンダルとられまくりじゃないですか。まず私がとります」

「当事者がそれやってどうするんですか」

「そんな事よりワイルドタイガーさんが呼んでましたよ」

「いいんですよあの人は」

「相棒置き去りっていいんですかそれ」

「あなたと踊れる時間の方が大事です」

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