clown
からん、と思いのほか軽い音を立てて、彼の王冠が地面に落ちた。
「ベル、」
んー?と彼は私を抱きすくめる。私に向かって放たれた弾丸が彼を掠めた。
「ごめん」
私が彼に謝罪すると彼は本当だぜと言って私を下がらせる。
そして敵に向かってナイフを突きつける。
「俺の大事なもん傷つけてくれやがって、お前、死刑。」
シシシッ、と笑い声を上げてベルは相手を滅多刺しにした。
「ありがとう、お疲れ。」
そう言って私は拾って汚れをぬぐった王冠をベルに返す。
「無理すんなし、ばーか」
ベルはそう言って私の頭を小突いたあと、やっぱ自分のもの傷つけられそうになったら、俺嫌だからと言った。
「あぁ、ティアラ」
「……ほんとお前馬鹿だよな」
お前の事だよ、とベルは呆れ顔で呟いた。
clown
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