本音

「ユーリさぁーん」

「……なんですかワイルドタイガー」

「もー、虎徹でいいって言ってるでしょー」

水臭いなぁ!と背中をばんばん叩かれる。

絡み酒かこいつ。もう絶対にほだされて一緒に食事などしない。絶対にだ。

「というかユーリさんもうちょい俺に胸襟開いてくださいよー」

そうぶーぶーとほざくこいつがもうそろそろ少し鬱陶しい。

「こう、もっとなんていうんでしょー、本音で語り合いましょうよー」

「……本音を出さないのはあなたでしょう」

つい、そう言ってしまった。

少しだけしまったと思ったが、とりあえず自分の分の金額を机に置き、席を立つ。

「では、明日早いので。」

そう言って私は立ち去った。



「…………ばれてんなぁ、」

彼が何かを呟いた気がした。


本音



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