迎撃

私がバトルサブウェイで働き始めたばかりの時分、実はサブウェイマスターのお二人、特にノボリさんは苦手の部類に入っていました。

いえ、今はもちろんそんな事はないのですが。いつも無表情で厳しいイメージしかなかったもので。

そんな感じで一ヶ月、サブウェイマスターのお二人とは全く接点の無いまま仕事に慣れていきました。

時々連絡事項など最低限の言葉を交わすときはあったのですがそのときの私の態度と来たら、がちがちでもうひどいものだったと思います。

ですからあの時、

「ご苦労様です」

そう、ノボリさんに声をかけられたときはもう、心臓が飛び出るかと思いました。

「ノボリさん!」

お疲れ様です!と慌てて頭を下げる私を彼はどことなく優しい視線で見つめて私に連絡事項を伝えた後、それと、と言葉を切って

「あまり無理はなさらないように」

と言いました。

「は、はい!」

それから私はノボリさんをあまり怖いと思わなくなりました。



「いやーかんっぜん迎撃体制のあの子に応対されていた頃のマスターノボリと言ったら!」

「あれは見ものやったなぁトトメス」

「まぁクラウドさんの荒療治で緩和されたからねぇ。あれは本当にナイスだったよ」

「あぁ、あいつの仕事が終わった瞬間黒ボスあいつんとこに突っ込ませるやつなぁ」

「あんなにうまくいくとは思わなかったけどね」

「本当になぁ」

「これで黒ボスの一目ぼれも少しくらい報われればねぇ」

「本当になぁ!」

迎撃



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