「命だけは助けてくださいなんでもしますから、って言われてもさぁ、知るか馬鹿、って感じじゃね?」

そもそも、うちんとこの拷問がまず、死んだほうがマシだとか言われる程度のひどさである。

「確かに」

「それにそうやって命乞いする奴殺すのも楽しいしぃ」

「いやそれは賛成しかねる」

「えー」

「というかさぁ、そんな何でも願い聞いてもらいたいから命助ける奴なんていないだろ」

「そりゃそうだ、ししっ」

あ、でも王子さぁ、と奴は私にぐぐっと顔を近づける。

「王子、お前にだったらお願い聞いて欲しいかも」

「は?」

私がぽかんとすると奴はわかってないなぁと首を振った。

「だから、王子の姫になってよ」

命かけて守るし、と彼らしからぬセリフが聞こえた。





[目次]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -