兵隊遊び
彼の部屋には焼け焦げた兵隊の人形がある。
無論父上の青い炎で焼けたものである。
きっと彼らに子供が出来た時を想定して夫婦で選んだのだろう。
彼の幸せだったときの象徴。
「まったくこんなものを律儀にとっておくなんて」
勝手に部屋から拝借したそれを弄ぶ。
直してやろうかと冗談で彼に言ったらきっぱりと断られた。
(冗談の通じない奴め。)
復讐にとりつかれた人間ほど見ていて愉快なものはない。
まぁどうせ、私にとっては彼も所詮この兵隊人形と同じように愉快な玩具なのだ。
「さて、それでは兵隊遊びを再開するとしましょうか。」
兵隊遊び
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