そいつは俺と同じ顔をしていた。

まぁアンドロイドだから当たり前なのだが。

しかし一番の問題は、

「オイこらエビ!なんでお前がユーリさんの隣にいるんだよ!」

俺がぴっ、とエビに指を突きつけると、ぎぎ、と首を動かし返答する。

「何故、と言われても、私は、ユーリの補佐であり、補佐という事は常に隣でバックアップせねばならない、からだとしか私は言えない。」

「はぁあ?」

どこか文法がおかしいような文章だったが、俺が理解するのは充分だった。

「いやだからなんでお前がユーリさんの補佐なんだよ!」

なんかいろいろ悔しいやらでエビに掴みかかろうとすると、事態を静観していたユーリさんがいい加減にしてくださいと割って入った。

「これから会議なので」

行きますよ、と彼はエビに声をかけ立ち去ろうとする。

エビははいと肯定の返事を返し、一度だけ俺の方を振り向いて、ユーリさんに着いていった。


「…………自分のしたり顔ほど不快なものはねぇな」






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テーマ「人外ファンタジー」
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