新製品

「新製品、ですか」

家に帰ると、玄関で奴と、奴のぬいぐるみが出迎えた。

「あぁ!サンプルにと一つもらってきたのだが、私の家に置いておいても持て余すだけだから、どうせなら、君のところにと。」

「……ありがとうございます。」

「それにその、ファイヤー……いや、会社の同僚が、好きな人にはこまめに贈り物をすればいいと言っていて……」

奴は照れ隠しか頬をぽりぽりとかく。

「…………そういうのは、本人に言うべきではないですよ」

「あ」

表情はそのままに顔が赤くなる。本当にまったく分かりやすい。

「……見なかった事にして差し上げます」

「……ありがとうそしてありがとう」

こうして彼が持ち込んだ新製品がまた増えていく。


新製品



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