だって

「だから!あれほど仕事中はお菓子を食べてはいけないと言っているでしょう!」

「だって……」

「だって?」

お腹空いたんだもんは認めませんよ!とノボリが先手を打つとクダリはえぇー、と不服そうな顔になる。

「だってお腹空いたんだもん……」

「その言い訳は認めないと今言ったばかりでしょう」

ノボリが呆れ顔でそう言った瞬間ぐぎゅるるるとステレオで音が聞こえた。

「…………」

つまり二人の腹が鳴った音である。

「ねぇノボリ、」

「そろそろ昼食にいたしましょうか」

やけに早口でそう言ったノボリは早足で駅長室に戻ろうとする。

「ねぇノボリ」

「なんでしょう」

「やっぱりお腹空くよねぇ」

「……」

だって、とはさすがに言わないが。

「あなたを叱っていた分のエネルギーが無駄になったのですよ」

少しくらい言い訳しても弟にならいいだろう。

だって



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