タイトル
「のどがかわいたかいぶつのはなし」
子供の頃に私と弟が読んでいた絵本のタイトルでございます。
その大きすぎる怪物は、その大きさゆえに、自分の喉を潤すほどの大量の水を欲しました。
そしてその怪物は、最後には、ああそうでした。たしか最後は、あぁそうでした、たしか大量の水を欲した怪物は、海の水を飲み干し、そしてその塩辛さに、死んでしまったのです。
そんな滑稽な話を当時私共は純粋に笑ってみておりました
けれど今は、その怪物の気持ちが少しだけ分かる気がするのです。
僭越ながら私共はサブウェイマスターという職業をさせていただいております。
つまり私共の仕事は強者、もしくはそれになりうる可能性のある方々の通過点となる事。
しかし現状は最奥部の私共のところにたどり着ける方はほんの少数。
更に私どもに勝利できる方となると、ほぼ皆無。
結果として私共はとても単調で、つまらない日々を送っているのでございます。
私はただ愉しいバトルがしたいだけなのに!
私の心はかの怪物のように渇いていくばかり。
あぁ私はあの滑稽な怪物のように、海で果てる事ができるのでしょうか。
これが私のタイトルすらない、ごく私情の話でございます
タイトル
[目次]