想定外

「どうしたんですか?吉良副隊長」

「最近眠れてなくてね……」

僕の部下の彼女は、こんな僕にも優しい。

まぁ僕が彼女の上司だからというのもあるんだろうけれど。

「大丈夫なんですかそれ」

「大丈夫大丈夫」

まさか君が原因なんて言えない。

「本当ですか?」

彼女は真面目だ。不安げな顔をして顔を近づけてくる。

ちょっと待って近い近い近い!

「ちょっ……」

視界がぐらりと揺れた。え、貧、血?

「吉良副隊長!」

彼女の叫び声が聞こえた。

嗚呼駄目だよこんな僕を心配するなんて。




「…………あれ?」

「気がつかれましたか!」

彼女が僕の顔を覗き込んでいた。

「あ……」

それと僕と彼女の周りにやけにうちの隊員がいる。後なぜか阿散井君も。

そして阿散井君は、彼女に呆れた顔で

「ほらー。心配すんなっていったろ?」

と言う。

「いやっでも倒れこむ吉良副隊長受け止められませんでしたし……頭でも打っていたら!」

「大丈夫だったじゃねえか!ほんっとお前吉良が絡むとキャラ崩れるな!」

え?というか当事者である僕が置き去りにされてる気が。

そこで諦めたように阿散井君がわしゃわしゃと頭をかき言った。

「お前吉良のこと好き好きすぎんだろ……」

「阿散井!」

彼女が阿散井君を呼び捨てにしたとかどうでもよくなるくらいに阿散井君がもらした一言が。

「って吉良が機能停止してやがる!」

「わぁぁ吉良副隊長ぉぉぉ!?」

彼女が僕を好きだなんて、まさかそんな、事は。

「おぉぉ吉良泣くな!泣くな!」

「副隊長、私の事そこまで嫌いですか。ですよね、だから言わないでとお願いしたのに阿散井副隊長と来たら……」

「斬魄刀抜こうとすんなお前!おい三番隊の奴らお前らの上司たちだろ早く何とかしろ!」

『いやですよこいつ怒らせると怖いんですよ殺す気ですか』

「…………」

言葉に詰まる阿散井君を見ながら、

とりあえず彼女にどう僕の想いを伝えようか考えよう。


想定外


想定外
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愉快な三番隊。
後調子こいてぱそこ弄ってたら吐き気さんの再来きたから寝る



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