煽って
僕と違ってノボリはいつも、サボったりとかそんなことほとんどしないんだ。
ましてや勤務中に寝るなんて ノボリがそんな事をするなんて
「どうしたの?ノボリ」
疲れちゃったの?とぼくが訊くとノボリはそうかもしれませんねと肯定する。
「すみませんねクダリ。少し私の代わりにお客様の相手をしてくださいまし」
いつもかっちり着込んでいる制服を少し着崩しぐたりとしているノボリは当然ながらいつもと違う雰囲気で。
もっというなら色っぽい。とっても扇情的。
「ねぇノボリ、誘ってる?」
なぁんて、とノボリに笑いかける。すると彼はいつもの鉄面皮を崩さずに、答えた。
「煽ってるのでございますよ」
「……ねぇノボリ、ぼくが我慢聞かない性格って知ってるよね」
「よく存じておりますよ」
一体どれだけ一緒に居たと思っているんですか、なんて可愛い事を言うから、ぼくはノボリにとりあえずキスの雨を降らそうと思うんだ。
煽って---------------------------------
ノボリさんに煽っていますを言わせたかっただけ
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