大変不毛な夢を見た。しかも自分の誕生日に。

(誕生日プレゼントならもっと別のがいいわ阿呆……)

好きなあの子とデートするなんて夢で見ても空しいだけやろ違うか勝呂竜士。

「おーどうしたん勝呂?」

当人にはもちろん知られる訳にはいかない。俺の人生が終わる。

「そういえば志摩から聞いたんだけどさ、勝呂って今日誕生日なの?」

志摩この後の展開によってはボコる、いや絶対にボコる。

「あぁ、そうやけど」

「じゃあさ、勝呂なんか欲しいものある?」

考えたんだけど思いつかなくてさぁ、あんまり外した物あげてもなんだし、と彼女は頬をぽりぽり掻く。

「志摩がさぁ、『それやったら、私をプレゼント、やったらええんちゃう?』とか言ってたんだけどさすがにそれはねぇ……」

「それでよかったのに」

って俺何言ってるんや!阿呆は俺か!

「そんなんでいいの?」

それなら今度日を改めて健全にデートでも行こうか、と彼女の笑み。

「あぁでもあんまりにも金がかからないプレゼントだからデートで何か奢ろうか」

「デートで女側に全部もたす男がどこにおんねん」

俺が全額だす、文句は聞かん!と俺が開き直ると彼女はありがとうと笑った。

だって俺はこの正夢化しそうな、というか充分夢のようなチャンスを、次に繋げる気でいるんや。






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勝呂誕生日おめでとう。



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