精神分離
ふと気が付くと自分を俯瞰している自分がいる。
例えば、人間の前で道化を演じているとき、弟と会話している時、それに、彼と居る時。
彼を心から愛していると思う自分がいる反面、悪魔のくせに人間を愛するなんて堕ちたものだと自分を罵倒する自分もいる。
精神が分離しているようだ。二重人格もどきといったところだろうか。
「何考えてんだ?」
「特に何も考えてません。強いて言うならあなたのその無神経さについてです」
「考えてんじゃねぇか」
ぐにぃと頬をつままれる。
「にゃにするんへすか」
「お前固いなー」
雪男と燐はもっと柔らかいぞと彼は言う。
「子供と一緒にしないでくださいよ」
私はあなたよりずっと年上なんですよ
「知ってる」
「なら同列はやめてください不愉快です」
そう言うと彼は少し黙った後何か思い当たったような顔をする
「なぁメフィストお前、雪男と燐に妬いてぶふっ!?」
あまりに馬鹿な事を言うので、尻尾で彼の顔をはたいてやった。
「なにすんだよー」
それは私がこの十数年間ずっと言いたかった事だ。
悪魔の心を奪うなんて、お前は一体何をしてくれている、と。
精神分離精神分離
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メフィストは藤本に狂ってもどこか冷静なのだと思います。
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